プロテインバーが手軽な栄養補給食として人気を集めています。特にタンパク質をしっかり摂りたい方や忙しい日のランチタイムに利用している方も増えているようです。でも、「プロテインバーだけで1日に必要なタンパク質は取れるの?」「食事代わりにしても大丈夫?」という疑問をお持ちではないでしょうか。この記事では、プロテインバーの正しい活用法と注意点について、最新の栄養学的知見から詳しく解説します。
プロテインバーとは?タンパク質摂取の救世主
プロテインバーは、栄養補助食品の一種で、食事だけでは不足しがちな栄養素を補うために活用するものです。特にタンパク質が豊富に含まれており、お菓子感覚で食べられるものから本格的なものまで様々な種類があります。
プロテインバーの主な特徴は以下の通りです:
- 手軽に持ち運びができる
- 準備の手間がかからない
- タンパク質を効率よく摂取できる
- 様々な味やタイプがある
森永製菓の「inバープロテイン<ベイクドチョコ>」は1本(42g)あたりタンパク質15.8gが摂取できる商品です。クッキータイプのプロテインバーなら、1箱で約10gのタンパク質を摂取することができます。このように、プロテインバーは製品によってタンパク質含有量が異なるため、パッケージで確認することが大切です。
1日に必要なタンパク質量とプロテインバーの位置づけ
日本人の食事摂取基準(2020年版)によると、18~64歳のタンパク質推奨量は男性65g/日、女性50g/日とされています。この量は皮つきの鶏モモ肉約350gに相当します。
しかし、プロテインバー1本で摂取できるタンパク質量は製品によって異なります:
- 一般的なプロテインバー:5~15g程度
- 高タンパク質タイプ:15~20g程度
つまり、プロテインバー1本だけでは1日に必要なタンパク質量を満たすことはできません。例えば、タンパク質15gのプロテインバーを食べた場合、男性なら1日の必要量の約23%、女性なら約30%しか摂取できないことになります。
運動量が多い方やアスリートの場合、体重1kgあたり1.2~2.0gのタンパク質摂取が推奨されており、さらに多くのタンパク質が必要となります。
プロテインバーを食事代わりにするのはNG?
結論から言うと、プロテインバーを完全な食事の代わりにすることはおすすめできません。その理由は以下の通りです:
- 栄養バランスの偏り:プロテインバーはタンパク質が豊富ですが、ビタミンやミネラルなどの他の栄養素が不足している可能性があります。
- 必要なタンパク質量を満たせない:先述の通り、1本だけでは1日に必要なタンパク質量を充足できません。
- リバウンドのリスク:食事をプロテインバーだけに置き換えると、一時的に体重が減っても、元の食事に戻した際にリバウンドしやすくなります。
- 代謝低下の可能性:プロテインバーだけでは、代謝に必要なビタミンやミネラルが十分に摂れず、脂肪が落ちにくくなる可能性があります。
例えば、ランチを1本200円のプロテインバーに置き換えると、月に約6,720円の節約になるという計算もありますが、栄養面での損失を考えると必ずしも良い選択とは言えません。
プロテインバーの正しい活用方法
プロテインバーは食事の代わりではなく、補助食品として活用するのが最適です。以下のような活用法がおすすめです:
間食として活用する
小腹が空いたときや食事と食事の間が長くなりそうなときに、通常のお菓子の代わりにプロテインバーを選ぶと良いでしょう。タンパク質と食物繊維が含まれているため、腹持ちも良く満足感が得られます。
朝食の補助として活用する
朝は時間がなく、タンパク質が不足しがちです。そんなときにプロテインバーを朝食と一緒に摂ることで、タンパク質不足を補うことができます。
運動前後の栄養補給に活用する
運動の前後はタンパク質需要が高まる時間帯です。特に運動後30分以内にタンパク質を摂取することで、筋肉の回復や成長を促進できるため、プロテインバーを活用するのも一つの方法です。
プロテインバー選びのポイント
ダイエットや健康管理にプロテインバーを活用するなら、以下のポイントに注意して選びましょう:
1. タンパク質量をチェック
目的に応じて適切なタンパク質量のものを選びます。一般的には10g以上含まれているものがおすすめです。
2. 脂質・糖質量に注意
プロテインバーの中には脂質や糖質が多く含まれているものもあります。ダイエット中なら低糖質・低脂質のものを選びましょう。
- 脂質:パッケージに記載されている脂質量を確認し、1本あたり5g以下を目安に
- 糖質:できるだけ低いものを選ぶ(10g以下が目安)
3. 食物繊維の含有量
食物繊維が豊富に含まれているプロテインバーは腹持ちが良く、空腹感を抑えるのに役立ちます。
4. カロリーを確認
ダイエット目的なら1本200kcal以下のものを選び、1日の摂取カロリー内に収まるように調整しましょう。
プロテインバーの毎日摂取は問題ない?
栄養バランスの整った食事をとることが難しい場合、プロテインバーを活用することは選択肢の一つとなります。不足している栄養素を補うなど、目的に応じてプロテインバーを活用していれば、毎日食べても問題はないと考えられます。
ただし、プロテインバーを食べることで満足感を得られると、次の食事タイミングでお腹が空いておらず、食事量が減ってしまう可能性もあります。プロテインバーは食事のサポート役ですから、食事量が減ってしまう場合は、食べる量や頻度、タイミングを考慮することが大切です。
まとめ:プロテインバーは補助食品として活用しよう
プロテインバーは便利な栄養補助食品ですが、食事の完全な代替にはなりません。1日に必要なタンパク質量を満たすためには、通常の食事からもタンパク質を摂取することが基本です。プロテインバーは、忙しい時の栄養補給や間食として上手に活用しましょう。
また、プロテインバーを選ぶ際は、タンパク質量だけでなく、脂質・糖質・食物繊維量、カロリーなどもチェックすることが大切です。自分の目的や生活スタイルに合った製品を選んで、健康的な食生活に役立ててください。
タンパク質摂取は健康維持やボディメイクの基本です。プロテインバーを上手に活用して、理想のカラダづくりを目指しましょう。
参考情報
- 森永製菓 プロテインコラム https://www.morinaga.co.jp/protein/columns/detail/?id=319&category=beauty
- BE LEGEND プロテイン情報 https://belegend.jp/article/communication/10601/
- ASFiT ダイエット情報 https://asfit.tokyo/diet-technic-143/
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