夏の朝、冷蔵庫から取り出したまろやかな水出しコーヒーは格別です。家で気軽に作れる水出しコーヒー(コールドブリュー)は、ここ数年で人気が高まっています。今回は1リットル分の水出しコーヒーの作り方について、プロのバリスタが教える基本の方法からちょっとしたコツまで詳しく解説します。苦味控えめでまろやかな甘みを楽しめる水出しコーヒーを、ぜひご家庭で試してみましょう!
水出しコーヒーの基本と特徴
水出しコーヒーは「コールドブリュー」や「ダッチコーヒー」とも呼ばれ、その名の通り水でじっくり時間をかけて抽出したコーヒーです。お湯を使って抽出する通常のコーヒーとは違い、低温でゆっくりと成分を引き出すため、独特の魅力を持っています。
水出しコーヒーならではの魅力
- まろやかな口当たりとすっきりした後味
- 苦味が控えめで、コーヒー本来の甘みが引き立つ
- 酸味が穏やかで飲みやすい
- カフェインが少なめ(水に溶けにくい性質があるため)
- 冷蔵庫に入れておくだけで簡単に作れる
水出しコーヒーが生まれたのは、実はコーヒーの生産国として有名なインドネシアだと言われています。当時、苦味の強いロブスタ種が主流で、その苦味を和らげるために水で抽出する方法が広まったそうです。
1リットル分の水出しコーヒーを作るための準備
必要な材料
コーヒー豆と水の比率について
プロのバリスタたちの間でも、最適な比率については様々な意見があります。代表的な比率をいくつか紹介します:
- 1:10の比率 – コーヒー豆100g:水1000ml
- 1:12.5の比率 – コーヒー豆80g:水1000ml
- 1:7.7の比率 – コーヒー豆130g:水1000ml
初めて作る方は、バランスの取れた味わいが得られる「1:10」(コーヒー豆100g:水1000ml)から始めるのがおすすめです。お好みに合わせて調整してください。
用意するもの
- コーヒー豆 80g~100g(お好みの豆・中挽き~中粗挽き)
- 水 1000ml(軟水がおすすめ)
- 以下のいずれか:
- 水出し専用ボトル
- お茶パックとピッチャー(または密閉容器)
- フレンチプレス
水出しコーヒーの基本の作り方
お茶パックを使った簡単な方法
お茶パックを使う方法は、特別な道具がなくても簡単に水出しコーヒーを作れる方法です。
手順
- コーヒー豆を挽く
中挽き~中粗挽きの挽き目で80g~100gのコーヒー豆を挽きます。 - お茶パックに詰める
挽いたコーヒー粉をお茶パックに入れます。粉の量が多い場合は2~3つのパックに分けると良いでしょう。 - 水を注ぐ
ピッチャーや密閉容器にお茶パックを入れ、1リットルの水をゆっくり注ぎます。 - 軽く混ぜる
コーヒー粉全体が水に浸るように、優しく混ぜます。 - 抽出時間を確保する
冷蔵庫に入れて8~12時間ほど置きます。夜寝る前に準備すれば、朝には美味しい水出しコーヒーが完成しています。 - お茶パックを取り出す
抽出が完了したらお茶パックを取り出し、出来上がったコーヒーは冷蔵庫で保管します。
専用ボトルを使う方法
専用ボトルを使えば、よりスマートに水出しコーヒーを作ることができます。
手順
- お湯を少量沸かす(むらし用)
200mlほどのお湯を沸かします。これは「むらし」という大切な工程で使います。 - ストレーナーにコーヒー粉を入れる
専用ボトルのストレーナーに80g~100gのコーヒー粉を入れます。 - お湯を注いでむらす
ストレーナーをボトルにセットし、ゆっくりお湯を注ぎます。粉全体が湿ったら注ぐのを止め、30秒ほど待ちます。これによって余分なガスを抜き、風味が格段に良くなります。 - 水を注ぎ入れる
残りの水を注ぎ、合計で1リットルになるようにします。 - 冷蔵庫で抽出
冷蔵庫に入れて7~8時間ほど置きます。 - ストレーナーを取り外す
出来上がったらコーヒーを軽く混ぜて味見をし、丁度いい濃さになっていたらストレーナーを外します。浸けっぱなしにしておくと雑味が出てくるので注意しましょう。
水出しコーヒーを美味しく作るためのポイント
コーヒー豆の選び方
水出しコーヒーには、中深煎り~深煎りのコーヒー豆がおすすめです。苦味成分が水に溶けにくい性質があるため、しっかりとした味わいの豆を選ぶと良いでしょう。
特に水出しでは豆の持つ個性がよく出るため、風味豊かなスペシャルティコーヒーを使うとより美味しく仕上がります。
挽き目について
水出しコーヒー用の挽き目は、ドリップコーヒーより少し粗めが基本です。ただし、レシピによって推奨される挽き目は異なります:
- 中挽き~中粗挽き
- ドリップより少し粗め
- 細挽き(より濃厚な味わいを求める場合)
初めて作るなら中挽き~中粗挽きから始めて、お好みの濃さになるよう調整してみましょう。
抽出時間
水出しコーヒーの抽出時間は、味わいに大きく影響します:
- 7~8時間:標準的な抽出時間
- 8~12時間:しっかりとした味わいを求める場合
- 18時間:より濃厚な味わいを求める場合
短すぎると風味が弱く、長すぎると雑味が出てくるので注意しましょう。抽出時間は、好みの味わいに合わせて調整するのがベストです。
水の選び方
水出しコーヒーには軟水を使用することをおすすめします。硬水ではコーヒーの成分がうまく抽出されず、嫌な苦みが強く出てしまいます。日本の水道水やミネラルウォーターは軟水がほとんどなので、基本的には問題ありません。
水出しコーヒーの楽しみ方
保存方法
出来上がった水出しコーヒーは冷蔵庫で保存し、できるだけ早めに飲みきりましょう。一般的に2~3日は風味を保ったまま楽しめます。
アレンジレシピ
水出しコーヒーは、そのままでも美味しいですが、様々なアレンジも楽しめます:
- 氷をたっぷり入れて:特に暑い日には、氷をたっぷり入れて飲むのがおすすめです。
- ミルク割り:まろやかな水出しコーヒーにミルクを加えると、優しく懐かしい味わいになります。
- ソーダ割り:炭酸水で割ると、爽やかな飲み口になります。
- アイスクリームフロート:アイスクリームをトッピングすれば、ごほうびドリンクの完成です。
まとめ
水出しコーヒーは、自宅で簡単に作れるのに特別な味わいが楽しめる魅力的な飲み物です。コーヒー豆100gと水1リットルという基本の比率を覚えておけば、あとは時間がおいしさを作ってくれます。
夜寝る前に仕込んでおけば、朝には美味しい水出しコーヒーが完成しているという手軽さも魅力。ぜひご家庭で試してみてください。夏の暑い日に飲む、まろやかでスッキリとした水出しコーヒーは格別の美味しさです!
参考情報
- Eternal Coffee Lab. – https://eternalcoffeelab.com/how-to-cold-brew/
- LIGHT UP COFFEE – https://lightupcoffee.com/blogs/recipe/coldbrew
- REC COFFEE – https://rec-coffee.com/pages/howtomakeacoldbrew
- FOCUS COFFEE – https://focus-coffee.com/recipe-colo-brew/
- ヤマとカワ珈琲店 – https://yamatokawa.com/blog/madecoldbrewpack/
コメント