水出しコーヒー(コールドブリュー)は、暑い夏に爽やかな一杯を楽しむ最高の方法です。しかし、「コーヒー豆と水の分量はどのくらいがベスト?」という疑問をお持ちの方も多いでしょう。今回は、1リットルの水出しコーヒーを作るための最適な分量と、失敗しない作り方を詳しくご紹介します。ご家庭で簡単に美味しい水出しコーヒーを楽しみましょう!
水出しコーヒーの理想的な分量
水出しコーヒーを作る際の分量は、お好みの濃さによって調整できますが、一般的には以下の比率が目安となります。
一般的な水とコーヒー豆の比率
プロのバリスタやコーヒーショップでは、様々な比率が用いられていますが、代表的なものをご紹介します:
- 1:10の比率(スタンダード): 水1リットルに対して粉100g
- 1:12.5の比率(中間): 水625mlに対して粉50g
- 1:13~1:14の比率(やや薄め): 水1リットルに対して粉71~77g
- 1:7.7の比率(濃いめ): 水1リットルに対して粉130g
島珈琲では、水1リットルに対して80グラムの粉(実際には水1.3リットルを使用)が最適とされています。THE COFFEESHOPでは、検証の結果、水1,000gに対して71g(1:14の比率)がちょうど良いとしています。
分量による味わいの違い
分量によって水出しコーヒーの味わいは大きく変わります:
- 1:15(薄め): 濃度不足で物足りない味わいに
- 1:14(バランス良い): ちょうど良い濃さでバランスの取れた味わい
- 1:13以下(濃いめ): 濃度が高く、苦味や渋みが強調される可能性あり
自分好みの濃さを見つけるには、まずはスタンダードな比率から始めて、少しずつ調整していくのがおすすめです。
プロが教える水出しコーヒーの作り方
必要な道具
水出しコーヒーを作るには、以下のアイテムが必要です:
- コーヒー豆(中挽き~中粗挽き)
- 水(軟水がおすすめ)
- 専用ボトルまたはお茶パックとピッチャー
- (オプション)お湯を沸かすための道具
専用ボトルを使う方法とお茶パックを使う方法がありますが、どちらもおいしく作れます。専用ボトルの方が手間がかからず便利です。
ステップバイステップの作り方
専用ボトルを使用する場合
- コーヒー豆を準備する: 中挽きから中粗挽きのコーヒー豆を用意します
- 豆を挽く: コーヒー豆を必要な分量に合わせて挽きます
- お湯で「むらす」: お湯でコーヒー粉を湿らせ、余分なガスを抜きます(オプション)
- 水を注ぐ: 専用ボトルに冷水を注ぎます
- 冷蔵庫で抽出: 7~8時間ほど冷蔵庫で抽出します
- 出来上がり: ストレーナー(フィルター)を取り外し、出来上がりです
お茶パックを使用する場合
- コーヒー粉をパックに入れる: 必要な分量のコーヒー粉をお茶パックに詰めます
- パックを水に浸す: お茶パックを水の入ったピッチャーに入れます
- 冷蔵庫で抽出: 7~8時間ほど冷蔵庫で抽出します
- パックを取り出す: 抽出が完了したらパックを取り出します
抽出時間と保存方法
水出しコーヒーの抽出時間は非常に重要です:
- 標準的な抽出時間: 7~8時間
- 最短: 5~6時間
- 最長: 10時間(それ以上は雑味が出やすくなる)
海ノ向こうコーヒーでは、「粉を漬け込む時間を長くすれば、より濃く抽出できますが、10時間以上漬け込むと雑味も出てくるので注意が必要」と指摘しています。
完成した水出しコーヒーは、冷蔵庫で保管し、3~4日以内に飲み切ることをおすすめします。
おすすめの挽き目とコーヒー豆
最適な挽き目
水出しコーヒーに最適な挽き目は、中挽きから中粗挽きがおすすめです:
- ハリオの水出しコーヒーポット: 中細挽き
- Eternal Coffee Lab: 中挽き~中粗挽き
- 島珈琲: アイスコーヒー用かその手前くらい
Kurasuでは「ドリップ用の挽き目の中で、やや荒目寄り」を推奨しています。挽き目が細かすぎると苦味と渋みが強くなり、粗すぎると風味が十分に抽出されないため、適度な挽き目を選ぶことが重要です。
水出しコーヒーに向いているコーヒー豆
水出しコーヒーは通常のホットコーヒーと比べてマイルドな味わいになるため、以下のような特徴のコーヒー豆がおすすめです:
- 中浅煎り~中煎り: フルーティな酸味が爽やかに感じられる
- チョコレート系の香り: 水出しでもしっかりと感じられる
海ノ向こうコーヒーのスタッフは「バリの湧水コーヒー(中浅煎り)」を使用したところ、「酸味が主張されすぎず、すっきり飲みやすく」なったと報告しています。
水出しコーヒーをもっと美味しくする工夫
むらし工程の活用
バリスタのにっしーは「むらし」という工程を推奨しています。これは、コーヒー粉にお湯を少量注いで湿らせることで、余分なガスを抜き、風味を向上させる手法です。
アレンジレシピ
完成した水出しコーヒーは、そのまま飲むだけでなく、アレンジも楽しめます:
- ソーダ割: 爽やかな喉ごしに
- ミルク割: コーヒー牛乳のような優しい味わいに
- フロート: アイスクリームをトッピングしてデザート感覚で
これらのアレンジは、特に水出しコーヒーが少し古くなってきた3日目以降におすすめです。
まとめ
水出しコーヒーは1リットルあたり、コーヒー粉70g~130gの範囲で作るのが一般的です。濃さのお好みによって調整してみてください。中挽き~中粗挽きの挽き目で、7~8時間冷蔵庫で抽出するのが基本です。
熱いコーヒーとは違った、まろやかですっきりした味わいが特徴の水出しコーヒー。暑い季節に冷たいグラスで飲めば、リフレッシュ感も抜群です。ぜひお好みの分量で、自宅で簡単に水出しコーヒーを楽しんでみてください!
参考サイト
- 島珈琲 https://blog1.shima-coffee.com/ーp=18345
- Kurasu Kyoto https://jp.kurasu.kyoto/blogs/kurasu-journal/our-ultimate-coldbrew-recipe-2024
- Eternal Coffee Lab. https://eternalcoffeelab.com/how-to-cold-brew/
コメント