冬の間、毎日のように着用していたお気に入りのコート。春を迎え、そろそろクリーニングに出す季節となりました。でも、ちょっと待ってください!クリーニングに出す前に自宅でできるお手入れを行うことで、コートの寿命を延ばし、クリーニング効果も高められるのをご存知ですか?汚れを放置したままクリーニングに出すと、完全に落ちない場合もあります。今回は、冬物コートをクリーニングに出す前に、自宅でできる効果的なお手入れ方法をご紹介します。普段のお手入れや保管方法についても合わせてご紹介しますので、大切なコートを長く美しく保つために、ぜひ参考にしてください。
日常的なお手入れが寿命を変える!帰宅後すぐできる簡単ケア
「明日も着るから」と椅子の背もたれにかけたり、たたんで置いておいたりしていませんか?実はこの何気ない習慣が、コートの寿命を縮めている可能性があるのです。日常的なケアは、コートの美しさを保つ基本となります。
太めのハンガーに吊るして型崩れを防ぐ
帰宅したらまず行いたいのが、適切なハンガーに吊るすこと。これだけでもコートの寿命が大きく変わります。
- ハンガーは太めで厚みのある、コートの重さに耐えられるものを選びましょう
- コートの肩幅とハンガーの幅が合っているものが最適です
- 細いハンガーを使うと型崩れの原因になるので注意が必要です
- ポケットに物が入ったままだと、重みで生地に余計な力がかかるので取り出しておきましょう
玄関にハンガーラックを設置しておくと、帰宅後すぐにコートを吊るす習慣がつきやすくなります。外からのほこりや汚れも部屋に持ち込まず、翌朝の支度もスムーズになるので一石二鳥です。
ブラッシングで毛玉を防ぎシルエットを保つ
ブラッシングは単にほこりを取るだけではなく、様々な効果があります。
- 洋服ブラシで軽くブラッシングすることで、目に見えないほこりや髪の毛を取り除けます
- 繊維の間に空気が入ることで、シルエットが保たれ型崩れを防ぎます
- 生地の繊維が整えられるため、毛玉ができにくくなります
- 静電気を除去するブラシを使えば、花粉やホコリの付着も抑えられます
ブラッシングの基本手順:
- ブラシの面をコートに垂直に当て、繊維の流れに逆らうようにして優しくブラッシングする
- 繊維に沿った方向に、仕上げのブラッシングをして毛並みを整える
特に肌に直接触れる襟元や袖口は汚れがつきやすいので、念入りにブラッシングしましょう。ブラッシングは強く擦らず、撫でるように優しく行うのがポイントです。
素材別!クリーニング前のお手入れ方法
コートの素材によって適切なお手入れ方法は異なります。素材の特性を理解して、正しいケアを行いましょう。
ウールやカシミヤのデリケートなコート
高級で柔らかい天然素材のウールやカシミヤは、特に丁寧なお手入れが必要です。
- 毛足が柔らかい馬毛のブラシでホコリや汚れを落とします
- 襟や袖口に汚れが付いている場合は、濡らしたタオルを固く絞って、こすらず「ポンポン」と叩くように拭き取りましょう
- スチームアイロンを布地から少し離して当てると、シワが伸び、ふっくらとした質感を保てます
- 通気性の良いカバーに入れて保管し、湿気がこもらないよう注意しましょう
ウールやカシミヤは虫に食われやすい素材です。クリーニングに出す前に、生地に湿気が含まれているようなら、風通しの良い場所で陰干ししてから出すようにしましょう。
ダウンコートのふっくら感を保つケア
ダウンコートは暖かく軽いですが、洗濯方法を間違えると中の羽毛が固まってしまうことがあります。
- 目立つ汚れには中性洗剤を使って部分的に手洗いします
- 洗濯機で洗う場合は、洗濯ネットに入れて、ダウン専用の洗剤を使用しましょう
- 乾燥機を使う場合は低温で、テニスボールを一緒に入れると羽毛がふっくらと仕上がります
合成繊維コートの手軽なお手入れ
ポリエステルやナイロンなどの合成繊維は比較的お手入れが簡単です。
- 表面の汚れは湿らせた布で拭き取れます
- 頑固な汚れには中性洗剤を使いましょう
- 洗濯機で洗う場合は洗濯ネットに入れて低温で洗い、乾燥機も低温で使用します
クリーニング前の準備で効果を最大化
クリーニングの効果を高めるためには、事前の準備が重要です。プロのクリーニング店でも、事前のお手入れがあると汚れ落ちが格段に良くなります。
汚れやシミの前処理
- ホコリやほこりをブラッシングで丁寧に取り除きます
- 襟や袖口など特に汚れが目立つ部分は、濡らしたタオルでポンポンと叩いて汚れを浮かせます
- シミがある部分は、おしゃれ着用の中性洗剤を薄めて部分洗いをしておきましょう
ポケットの中身チェック
クリーニングに出す前に、ポケットに物が入っていないか必ず確認しましょう。ティッシュや領収書などが入ったままだと、クリーニング中に破れて生地に付着する可能性があります。
色落ちチェック
自宅で部分洗いをする場合は、色落ちチェックを忘れずに行いましょう。
- 濃い目の洗剤液を作り、綿棒に染み込ませます
- コートの裏側や目立たない部分をこすってみます
- 色が落ちるようであれば、クリーニングに任せる方が安全です
自宅でできる簡単洗濯法
洗濯表示を確認し、自宅で洗濯できる素材であれば、以下の方法でお手入れすることも可能です。
手洗いの基本手順
- 浴槽などに20~40℃のぬるま湯を溜め、おしゃれ着用洗剤を適量入れてよく溶かします
- ファスナーやボタンを閉じて、襟や袖、前身頃など汚れやすい部分が外側になるようにコートを畳みます
- 溶剤のなかに丁寧にコートを沈めます
- 約20回ほど押し洗いをし、強く押したり揉み洗いは避けましょう
- 10~15分つけ置きします
特にウールは30℃以上の水温で洗うと縮む恐れがあるので、30℃以下で洗うように注意しましょう。
洗濯機を使う場合の注意点
- 必ず洗濯ネットに入れて、「手洗いコース」や弱水流の設定で洗いましょう
- おしゃれ着用の中性洗剤を使用します
- 脱水は短時間で済ませ、形を整えて陰干しします
洗い終わったら必ずアイロンがけを行いましょう。コツは服に直接アイロンを当てずに、スチームの蒸気だけを当てることです。これにより型崩れを防ぎます。
保管方法で次のシーズンまで美しく保つ
クリーニングから戻ったコートは、適切に保管することで次のシーズンまで美しさを保つことができます。
湿気と紫外線から守る
- クローゼットなど紫外線の当たらない場所で保管しましょう
- 日光や蛍光灯に含まれる紫外線は衣類の大敵で、色あせの原因になります
- 湿気が多い場所での保管は避け、除湿剤を置くなどして湿気を除去しましょう
- 定期的に風通しの良い場所で陰干しして湿気を飛ばすことも大切です
適切なハンガーと収納スペース
- たたんで収納するとシワができやすいので、ハンガーに吊るしましょう
- 木製の厚みのあるハンガーを使用すると、通気性がよくなり防臭効果も高まります
- コート同士の間に適度な余裕を持たせて、型崩れや痛みを防ぎましょう
- クリーニング後のビニールカバーは外しておくことをおすすめします
防虫対策
- 「ムシューダ まとめて防虫カバー」などを使えば、冬物をまとめて収納できます
- 窓つきのカバーなら中身を確認しやすく便利です
- 分厚いアウターと春秋のアウターを分けて収納すると、気候に合わせて取り出しやすくなります
まとめ:クリーニング前のちょっとした手間が長持ちの秘訣
冬物コートをクリーニングに出す前の自宅でのお手入れは、コートの寿命を延ばし、クリーニング効果を高める重要なステップです。日々の簡単なケアから、クリーニング前の準備、そして適切な保管まで、一連のお手入れを行うことで、大切なコートを長く美しく保つことができます。
特に、「ハンガーに吊るす」「ブラッシングをする」「風通しの良い場所で干す」という基本的なケアを習慣化するだけでも、コートの状態は格段に良くなるでしょう。素材に合わせた適切なお手入れを心がけ、次のシーズンも大切なコートと快適に過ごせるようにしてくださいね。
今回紹介したお手入れ方法を実践すれば、クリーニング効果も高まり、コートのクオリティを長く保つことができます。少しの手間をかけることで、お気に入りのコートをより長く愛用できることを覚えておいてください。
参考情報:
Creema – コートを長持ちさせる簡単お手入れ・保管方法
https://www.creema.jp/blog/938/detail
ウェザーニュース – 冬物コートをしまう時に注意したい5つのポイント
https://weathernews.jp/s/topics/202304/200085/
キナリノ – コートの季節もあと少し。自宅でできるお手入れ&洗濯
https://kinarino.jp/cat6/34365
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