自転車チェーンの錆防止!プロが教える最強メンテナンス術

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雨の日に自転車に乗った後、気づけばチェーンがオレンジ色になっていませんか?自転車チェーンの錆は見た目が悪いだけでなく、ペダルの漕ぎが重くなり、動きもスムーズでなくなり、音もギコギコとうるさくなります。本記事では、自転車チェーンを錆びから守る効果的な方法を詳しく解説します。適切なメンテナンスで愛車を長持ちさせ、快適な走行を維持しましょう。

チェーンが錆びる原因と影響

チェーンが錆びると、見た目の問題だけでなく、自転車の性能にも大きく影響します。錆びたチェーンはペダルの漕ぎが重くなり、変速もスムーズに行かなくなります。これは走行の快適さを著しく損なうだけでなく、長期的にはチェーンやギアの摩耗を早め、パーツの寿命を縮めることにもつながります。

なぜチェーンは錆びやすいのか

自転車チェーンは金属製であり、雨や湿気に触れると酸化(錆び)が発生します。特に屋外駐輪の場合、雨風にさらされることでチェーンの錆びが進行しやすくなります。また、海の近くに住んでいる場合は塩分の影響で錆びやすくなることも。

実は、完全に錆びないチェーンは存在しません。実験の結果、高級チェーンであるデュラエースチェーンやカンパニョーロレコードチェーンでも、適切な対策をしなければ数日で錆びてしまうことが証明されています。

効果的な防錆剤の選び方と使用法

チェーンの錆を防止するには、適切な防錆剤の選択が重要です。錆防止に効果的な製品の選び方のポイントをご紹介します。

防錆剤選びの3つのポイント

  1. 耐候性があるもの:屋外保管の自転車には特に重要で、雨でも落ちにくく長期間効果が持続する製品がおすすめです。
  2. 潤滑剤が配合されたもの:錆防止と同時に潤滑効果があれば、チェーンの動きもスムーズになります。
  3. 水置換性があるもの:水置換成分は表面の水分の下に油分が入り込み、水を分離させることで錆を抑制します。

おすすめの防錆剤

  1. ワコーズ ラスペネ:実験の結果、最も効果的な防錆剤の一つとして証明されました。「チェーン錆びない選手権」でも、ラスペネを塗布したチェーンはほとんど錆びませんでした。
  2. MO-94:チェーンの防錆、水置換、駆動部の潤滑に効果的な製品です。
  3. BIKE PROTECT SPRAY:防錆、水置換効果があり、フレーム全体にも使用可能です。マット塗装にも使える利点があります。
  4. エバーズ 長期防錆剤 MG-3:雨にぬれても防錆効果が長持ちし、潤滑性能もあるためチェーンやギアのメンテナンスに適しています。
  5. AZ 長期防錆オイル 216h:塩水噴霧試験でも216時間経過しても錆が発生せず、屋内保管では2年以上錆から守る強力な防錆効果があります。

チェーンメンテナンスの手順

効果的なチェーンメンテナンスは錆防止の基本です。以下に詳しい手順を解説します。

洗浄から注油までの基本手順

  1. 準備:室内で作業する場合は、床に汚れても良い敷物(新聞紙など)を敷きましょう。
  2. チェーンの洗浄:チェーンクリーナーをスプレーして油汚れを浮かせます。クランク、ディレイラーにも吹きかけましょう。
  3. 汚れの除去:フォーミングマルチクリーナーなどで泥や砂汚れを浮かし、拭き取ります。
  4. ラスペネの注油:洗車して水分をふき取った後で「ラスペネ」をチェーンに吹きかけます。潤滑性能が高く、奥に残っている水分もしっかり追い出す効果があります。
  5. チェーンオイルの注油:チェーンのリンク部分に丁寧に注油し、奥までしっかり浸透させます。ペダルを逆方向に回してチェーン全体に行き渡らせましょう。
  6. 余分な油の除去:15分以上(できれば一晩)置いてから余分な油をふき取りましょう。

チェーン洗浄の応用テクニック

より徹底した洗浄をしたい場合は、チェーンを外して洗浄する方法もあります。

ペットボトル洗浄法:外したチェーンをペットボトルにディグリーザーと一緒に入れてキャップをし、シェイクすると効果的に汚れが落ちます。

現在は生分解性のある自転車用ディグリーザーが販売されているので、洗浄後の処理も簡単です。

雨の日のメンテナンス特別対策

雨に濡れたチェーンは特に錆びやすいため、速やかな対応が必要です。

雨で濡れた後のケア

最重要ポイント:雨天時に乗車した後はできるだけ早く注油をしましょう。

効果的な対処法:「濡れたら即ラスペネを塗るのが一番の対策!」と専門家も推奨しています。

水置換性のある防錆剤は、濡れたチェーンにも使用可能です。スプレーした瞬間から水がコロコロと落ちているのが確認でき、錆を効果的に抑制できます。

錆びにくいチェーンの選び方

すべてのチェーンが同じように錆びるわけではありません。錆びにくいチェーンを選ぶことも予防策の一つです。

おすすめの錆びにくいチェーン

KMC X8EPT:対塩水処理のEPTコーティングがされたチェーンで、比較的錆びにくいことが実験でも証明されています。価格もそれほど高くなく、コストパフォーマンスに優れています。

実験結果によると、高級チェーンであっても適切な防錆処理をしなければすぐに錆びてしまいますが、EPTコーティングのチェーンは比較的耐久性があります。

日常的な錆防止の心がけ

日々のちょっとした心がけが、チェーンの錆を大きく防ぎます。

自転車の保管方法

屋内保管が理想的:自転車が錆びる主な原因は雨と風です。できれば車庫やサイクルポート、物置などの屋内で保管しましょう。

自転車カバーの活用:屋内保管ができない場合は、自転車用のカバーを活用してください。ただし、カバーの中で湿気がこもらないよう、定期的にカバーを外して空気を入れ替えることも大切です。

注油の頻度

チェーンオイルの注油は約200~400km程度の距離を目安に行うのが良いでしょう。

しかし、雨に濡れた場合は距離に関わらず、できるだけ早く注油することが重要です。

注油時の注意点

チェーンオイルの適切な使用は錆防止だけでなく、チェーンの寿命を延ばす効果もあります。

オイルのつけすぎに注意

必要以上にチェーンにオイルを塗布すると、ホコリや泥などが異常に付着しやすくなり、チェーンの汚れが短期間で発生します。

注油後は必ず余分な油分をウエスで拭き取りましょう。チェーンが濡れている状態ではなく、薄く油膜が残っている状態が理想です。

まとめ:効果的なチェーン錆防止のための5つのポイント

  1. 定期的な洗浄と注油:チェーンの汚れを放置せず、定期的に洗浄し、適切な量の防錆オイルを塗布しましょう。
  2. 雨天走行後の即メンテ:雨に濡れたら、できるだけ早く水置換性のある防錆剤を使用しましょう。
  3. 適切な防錆剤の選択:ラスペネやMO-94など、水置換性があり潤滑効果も高い防錆剤を使いましょう。
  4. 理想的な保管:可能な限り屋内で保管し、屋外の場合はカバーを活用しましょう。
  5. 錆びにくいチェーンの使用:新しくチェーンを購入する際は、EPTコーティングなど錆びにくい処理がされたものを検討しましょう。

お値段よりも少しの手間が大事です。定期的なメンテナンスを習慣にすることで、愛車のチェーンを美しく保ち、スムーズな走行を長く楽しむことができます。

参考サイト

サイクルベース・あさひ – https://www.cb-asahi.co.jp/blog/products/9296/
オート・バイク・プラス – https://bike-plus.com/pages/how-to-wash-and-lub-drive-train
ワコーズ公式 – https://www.wako-chemical.co.jp/product/rusupene/

注意

・この記事は情報提供を目的としたものであり、医学的・法律的なアドバイス等の専門情報を含みません。何らかの懸念がある場合は、必ず医師、弁護士等の専門家に相談してください。
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